波浪平面施設について
波浪実験施設では、波浪平面水槽と長水路を使って、地形や水深などで複雑に変化する波を再現し、防波堤の効果や防波堤などの構造物の安定性を調べる実験などが行われています。
波浪平面施設の役割
- 伊勢湾の汚染拡散機構の解明
- 新構造形式の開発
長水路(縦30m×横2m×深さ1.2m)
防波堤などの構造物に働く波の力や滑動状況、伝達波高など、断面に関する実験を行っています。
長水路の役割
- 堤体の滑動実験を行い、波力などを調べる
- 反射率や伝導率を実験的に求め、数値シミュレーションなどの参考にする
- 計算手法では解析が困難な場合の波の変形や波力特性を調べ、ブロックや基礎石が安定する形状・重量・斜面勾配などを決定する。
新構造防波堤の開発実験
経済的で安定性のある防波堤を開発しています。
大水深海域において、消波ブロックを堤体前面に配置する従来型の防波堤ではブロックの個数が多くなり、建設費も莫大なものになります。消波ブロックの量を減らした経済的な構造の防波堤「消波ブロック内蔵双胴型ケーソン式防波堤の開発にあたり、安定性を確認する実験を行いました。
新しい形式の防波堤の模型に大きな波を作用させて波圧特性を求め、堤体の安定性などを確認する実験を行っています。水深43mの下田港湾口に防波堤を建設する際にも、この模型による実験の結果が生かされました。
埋立護岸の越波実験
護岸の構造設計などに寄与しています。
越波流量は、ごく限られた条件で推定(計算)することができますが、護岸の構造(消波工の有無)、形状(前面勾配)、波の諸元(波高・周期)、海底勾配などの条件によって大きく変化するため、模型実験により現地条件に対する適切な越波流量を割り出し、護岸の構造設計などに活用しています。
消波及び被覆ブロック安定実験
構造物の安定形状などを検証しています。
構造物が大きな波を受けた場合、その前面や被覆部を形成するブロック、基礎石などが最も安定する形状、重量や施工範囲、そして斜面勾配を決定するために役立っています。
急海底勾配地形における波浪砕波変形及び波圧実験
急勾配海底の防波堤建設を検証しています。
波浪の砕波変形(水深の大小に伴う波高の変化)と堤体に作用する波圧特性を求め、計算手法では解析が困難な領域である急勾配の海底に防波堤を建設する際の検討として役立てられています。